ベクトル・行列を含む微分の計算方法まとめてみた
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ヤコブ行列(ヤコビアン)
まず準備としてヤコビ(Jacobi)行列の定義を確認します。ヤコビ行列はヤコビアン(Jacobian)とも呼ばれる微分係数を多変数関数へ一般化したものです。
2変数の級関数とを用いて、2次元ベクトルを
とをそれぞれ全微分すると、 となります。これらをまとめて表記すると以下のように書くことができます。 ここに出てくる がヤコビ行列となります。
これを一般化すると, それでは具体例をみていきましょう。
例)2次元ベクトルのヤコビ行列を求めよ。
ベクトルと微分
それではベクトルを含んだ微分の一般式をみていきましょう。以下の3種類に分けて説明していきます。
ベクトルをスカラーで微分
例)3次元ベクトルをで微分せよ。
スカラーをベクトルで微分
例)をで微分せよ。
ベクトルをベクトルで微分
次元ベクトルを次元ベクトルで微分すると次のようになります。
これはお気づきの通りヤコビ行列となります。ベクトル同士の微分の方法を忘れてしまった場合はヤコビ行列の定義を思い出すとよいと思います。イメージとしては、が成り立つを、の全微分から考えるです。
行列と微分
続いて行列を含んだ微分の一般式をみていきましょう。以下の2種類に分けて説明していきます。
行列をスカラーで微分
例)の行列をで微分せよ。
スカラーを行列で微分
例)をの行列で微分せよ。